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2009.06.08

悲しい

悲しい


彼女から電話があって、と書きはじめて
もう「彼女」じゃないことに気がついた。

その彼女から電話があって、
うちに置いていて残ったままになっていた荷物を持って帰った。
まだ少し残ってはいるものの、ほとんどは持っていった。
会話は事務的になものだけで、
残りは梅雨明けくらいに取りにくるかもと言っていた。
もううちに泊まりにくることも無いんだな。

彼女は髪を切っていた。
切った理由も、伸ばしていた理由もたぶんわかってる。
だから伸ばしていたことはあえて話題にしなかった。
最後まで、その話題にすることもできなかった。
僕は、髪切ったんだね、としか言えなかった。

さっき部屋を片付けていて、
彼女が持ってきてくれてものが結構あって、胸が苦しくなった。
別れ話をしたときに僕は、お金を負担することが重荷に感じていたと話した。
その時彼女は、その代わりにいろいろもっていったと言っていた。
そうだな、確かにそうなんだ。

調味料を入れる箱。僕は確か眉をひそめたんだろうな。彼女は嫌なら捨ててと言っていた。いまもそのままだ。
クラフトチーズ。作ってくれたパスタと一緒に持ってきてくれた。そんなに好きな味じゃなくて使えず残ってる。
料理を入れるパック。今度来たときに持っていくんだろうな。よく料理をつくってもってきてくれた。正直味の好みが合わなくてコメントに困るときも多かった。うれしいと思っていたけど、もっと感謝しなきゃいけなかった。うちには料理できる環境が無いから困ると言っていたね。
バナナケース。誕生日に買ってくれた。持ってないよね?と聞かれて、うんと答えたけれど、実は偶然に当日にバナナケースを買っていたんだ。これは嘘ついたことにしなくていいよね。自分のは捨てたけど、貰ったものは残ってる。
大量の紅茶、中国茶、ハーブティ。僕は物が多いのは嫌だから、また眉をひそめたかもしれない。まだ残ってる。味はおいしいんだよ。
買ってもらったわけじゃないけど、コーヒー。僕は飲めないから減らないんだ。
みかんの瓶詰め。ビタミンを取ったほうがいいって、買ってきてくれたんだ。まだ空けてない。マックも健康に悪いから少なくしろと言っていた。
これは飲んでしまったけれど、ブルーベリーの錠剤。最近目が悪いんだって、僕が言ってたからだな。
実家に帰ったおみやげで買ってきてくれた梅茶。一緒にくれた信玄もちは食べた。梅茶は残ってる。僕は実家が近いからと思っておみやげ買ったことなかったな。ひどいね。
一緒に撮ったプリクラ。つきあいたての頃だ。この頃はいつもどうやったら相手を楽しませられるか、どうやったら気に入ってもらえるか考えていたな。どうして消えてしまうんだろう。
彼女の撮ったわさおの写真。そっと僕の財布の中に入っていたんだ。結構最近だよな。彼女はいつもつきあいはじめと同じように、僕のことを考えていたのだろうか。
猫のキーカバー。僕が何かに怒っていた時だ。彼女は何も言わず朝早く出て行った。僕はますますカチンときていた。家を出るときに鍵をみたら、かわいい猫のキーカバーがついていた。彼女が早く出て行ったのは僕を驚かすためだったんだ。すごく申し訳ない気持ちになった。
マックのおまけのおもちゃ。よくジャケットのポケットにそっと入れてあった。すごく邪魔だった。すごくうれしかった。

ありがとうと言いたいし、ごめんなさいをもっと言いたい。
でももうそれすら言えないんだな。
これから先、積み重ねた思い出を語ることは無いんだな。
それが悲しい。

だからといって、やり直してうまくいくともあまり思えないのも正直なところ。
実際荷物取りに来た少しの時にも、どうしてこういう言い方するんだろう、と僕は思ったときがあったし、
彼女は意図が伝わらないことに多少苛立っているように見えた。
もう少しいたらまた言い合いになるか、不快な気分になっていたんだろう。

こうした気持ちの行き違いを解消するには、
今書いているみたいに冷静に振り返る時間が必要なんだと思う。
1年半かかってできなかった。別れる時期を延ばして2年かけても、変わらなかったように思う。
後は、相手への気持ち。

別れ話をしたときは、相手も納得した様子で、やり直そうとは言われなかった。
強がりの冗談かも知れないけど、次はどうやったら出会えるんだろうとか、そういう話をしていた。
泣きつかれて、やり直そうと言われれば僕は考え直したかも知れない。
逆に僕が相手を「単純にただ好き」だったなら、別れ話はしなかっただろう。
人間として好きとかじゃなくて、単純に好き。

そういえば好きと言われた記憶が無い。
僕が好きだから一緒にいるんじゃなくて、
結婚とか、子供とか、家庭とか、そのために必要だから一緒にいるんじゃないか、
つまり僕は目的じゃなくて手段に過ぎないんじゃないかって、
そう思ってはいたけど、聞けなかったし聞こうとも思わなかった。
じゃぁ自分はどこまで好きなんだと、答えられる自信もなかったから。

ネットを通じて出会ったせいなのかな。
だから気持ちが薄くなっていったのかな。
でもどんな出会い方しても、気持ちは薄まっていく気がする。
みんなどんな努力をしているんだろう。

実はこの文章、夕方から12時近くまで書いていたんだが、
東芝の糞bluetoothドライバのせいでPCが落ちて消えてしまったんだ。
これも運命かとも思ったけれど、やっぱり書いておきたかったから書き直しした。
文章は多少冷静にはなったが、思い出を書いているときは2度目でも涙が出てしまったな。
途中になったけど、もう疲れたからやめておきます。

ありがとう。
ごめんなさい。
そして悲しい。

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